セロリを例に挙げます（RR13）。この会場にいる皆さんの多くがセロリを食べ、（味を）楽しんだことがあるはずです。素晴らしいことです。セロリについてよい例があります。スーパーマーケットで販売するためにセロリを梱包していた女性は、セロリを小さく切り分けてパッケージし易くしようとしました。そうするうちに、セロリの汁が皮膚に、両手の皮膚につくことが習慣になりました。その結果、多くの人が表皮に皮膚炎を発症していることに気づきました。また結果として皮膚癌を発症した人もいました。当然、彼らはすぐに手袋を着用し始めました。なぜこの様なことが起こったのでしょう。5/8-Methoxypsoralen この化合物が原因でした。この化合物は、セロリが昆虫からの食害を防ぎ昆虫を殺すために用いる成分です。私たちが食用にしているセロリ以外の植物の多くにも、同じ化合物が含まれています。この化合物には、非常に危険性の高い、発癌物質です。しかし、植物体内での含有量は極めて少量です。細胞の一つ二つにダメージを与える場合がありますが、私たちの体がもつ修復のメカニズムにより、ダメージを修復することが可能です。したがって、私たちにとってこの化合物は実際には問題ではありません。しかし、セロリがGMO（遺伝子組み換え作物）であった場合、それを販売することができず、食べることができず、スーパーマーケットで見ることもありません。これが、ばかげているというところです。それゆえに、産物は重要です。上記の化合物を多少含んでいたとしても、それは問題ではなく、食用するのに安全であれば、栽培し販売する上で安全です。